【家の気密ってそもそも何?】
家の気密・気密の良い家
最近、「気密の良い家」という言葉をよく耳にします。
住宅のお仕事をしていない方でも、家づくりを検討されていると目にすることがあると思います。
気密、性能、断熱・・・知識が無いと分からないことだらけです。
今回は「家の気密」についてお話します。
家の気密ってどういう意味?
一言に気密と言ってもピンとこない方も多いと思います。
住宅における気密とは、「家に空いている隙間があるかないか?」のことを指します。
気密がとれている家というのは「隙間の少ない家」。
逆に気密のとれていない家は「隙間が多い家」ということです。
しかし、様々な技術が発展した現代において、「家に隙間が多い」なんてことがあるのでしょうか?
昔ならいざ知らず…と思う方もいらっしゃるかもしれません。
では、「家の隙間」とはいったい何を指すのでしょうか?
家の気密がとれているのはどんな家?
家の隙間、と言うと壁の間や家の下側から隙間風が吹き込んでくるような、そんな家を想像されるかもしれません。
しかし、ここで言う「隙間」とは、目視できないレベルで家に空いている穴のことを指すのです。
これは屋根と壁の境目やエアコンの配管回り、窓回りなど様々なところに潜んでいます。
この隙間が少ないほど、「家の気密がとれている家」ということになるのです。
気密がとれているとどんな良いことがあるのか、次に挙げてみましょう。
(1)換気の効率が上がる
換気には前回の通り、窓を開ける換気と窓を開けない換気の2種類があります。
窓を開ける換気はその名の通り、家の中に風の通り道を作ることで家の中と外の空気を入れ替える方法です。
窓を開けない換気とは、機械で家の外から中、そして外へと続く風の通り道を作ることで行う換気方法です。
機械というとちょっと大げさに聞こえてしまうかもしれませんが、「24時間計画換気」というと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
家の気密がとれている、つまり家の隙間が少ないとこの換気方法はぐっと効率が良くなります。
例えばストロー。飲み物を吸い上げるとき、ストローに穴が開いていたら飲みにくいですよね。
例えば自転車の空気入れ。空気入れのチューブに穴が開いていたら自転車のタイヤに空気が入らないですよね。
それらと同じように家を一つの箱と考えてみると、そこに穴が開いていたら好き勝手色んなところから空気が入って、そしてまたいろんなところへ空気が逃げていくようになるのです。
これでは「計画換気」なんてできるわけがありません。
家の隙間が少ないほど、「ストローの先=空気が入る場所」と「ストローの吸い口=空気が出ていく場所」がはっきりと指定できるのです。
どのくらいの時間で、どのくらいの空気を家の中に取り入れ、外へ排出するか、その計画ができるのが本当の「計画換気」なのです。
(2)冷暖房の効率が上がる
1月の初めのこの時期。急に寒くなり、岡山の市街地でも雪がふわふわと舞っていました。
こんな日の朝は布団から出たくない…。
暖房は部屋が温まるまで時間がかかるし部屋が温まっても床が冷たいし。
しかし、気密のとれている家では暖房は効率的に使用することができます。
まず、給気の場所が決まっているので冷たい外気が好き勝手な場所から入ってくることがありません。
そして、排気の場所も決まっているので温まった空気が好き勝手な場所から外へ逃げていくこともありません。
気密とは、換気だけでなく冷暖房の効果を上げる役割にも一役買っているのです。
(3)二つのメリットを掛け合わせた、「温度ムラのない家」
気密を上げて「風の通り道を決める」、そして「室内の空気を勝手な場所から外に出さない」こと。
この二つは掛け合わせると、「温度が安定した状態の室内の空気を全室に送る」ことができるようになります。
家というのはどうしても温度ムラができてしまうもの。
しかし、気密がとれていればそれをある程度無くしてしまうことができるのです。
大前提として、「しっかりした断熱」が必要になりますが……断熱についてはまた次回お話します。
(4)内部結露が起きない
そして、家にとって一番大事と言っても過言ではない、内部結露の有無。
結露は内部で起きると拭くこともできず乾燥させることもできず・・・。
ただ腐っていくのを戦々恐々として見守るしか為す術はありません。(目視できないので見守ることはおろか、腐っていないかどうかの確認すらできませんが…。)
内部結露がなぜ起きるのか?詳しくは断熱のお話の時にさせていただきますが、ここの話だけで言うと冷気に曝された外壁に、隙間を通って出てきた内部の湿気を含んだ暖かい空気が付着するから…です。
隙間があるから空気が通るのですから、隙間が無ければ通る余地がありません。
結局家の気密だけあれば良いの?
気密性が高いことについて、4つのメリットを挙げてみましたが、結局気密がとれてさえいればいいのでしょうか?
答えは「否」です。
家の快適さというのは、気密だけで作り出すものではありません。
気密がとれていても、断熱がしっかりできていなければ結局意味がありません。
建物は人の体と同じです。
どんなに体の中を冷やしても、体表面に熱を当てられればその箇所の温度は変わり、暑さを感じるようになります。
寒さに曝されていても、風を防ぐ暖かい服があれば体温が下がることはありません。
逆に体を温めていても、血液の循環が悪ければ結局末端は冷えてしまいます。
しっかり防寒対策をして、血液の巡りを良くすれば体の温度は一定に保たれます。
そして同様に、家の「防寒対策=断熱」をしっかりして、屋内の「血液の巡りを良くする=計画換気」を行えば家の中は快適に保たれるのです。
隙間は家の天敵!
上でお話しした通り、家の気密は暮らしの快適さには欠かせない要素の一つです。
そして、家に無数にある隙間は家の換気や温かさ涼しさにとって天敵とも言えます。
この隙間をなるべく減らすために、SANKOでは15年前から高気密な家づくりを専門として行っています。
更に、全棟気密測定を行い実際の気密性能を数値化しています。
家の気密は数値化すると、「C値(相当隙間面積)」という値で表します。
これは家の面積に対して、どれくらいの隙間面積があるのか?という数値です。
このC値が小さければ小さいほど家の隙間が少なく、気密性が高いということになります。
かつて国が推奨していた次世代省エネルギー基準はC値5.0。北海道や東北の一部地域などの寒い場所では2.0となっています。
SANKOの家ではC値は常に0.1を下回ります。
これは気密がしっかりとれていると同時に、これだけの数値を出すことができる腕のいい大工が家を建てているというはっきりした指標にもなるのです。
気密の良い家に住もう
これから先、地球温暖化は進み夏はこれまでより暑く、冬はこれまでより寒くなる未来が待っています。
今でさえ夏は溶けるほど暑く、冬は凍えるほど寒いというのに。
この現代を生きる人たちにとって避けては通れない問題です。
そうなった時、どんな家に住んでいればいいのか?その時に家を建て替えられるようなお金があるのか?
その時に備えて今から考えておくべきことです。
これから先、どんな未来が待っているのでしょうか?
子供を育てるとき、自分が家事をするとき、年を重ねて家で過ごす時間が多くなった時。
そんな時にどんな家に住んでいたいか、今どんな家に住みたいのか…。
しっかり考えて、できるだけ後悔の少ない家に住みたいですね。
SANKOでは、そんな未来を見据えた住宅を専門的に作っています。
また、高性能はそのままに値段をグッと抑えた規格型住宅として「HARE-晴ー」をご用意しています。
いつでもご予約を承っておりますので、ぜひ一度見学にお越しください。
※日・火・木・土・祝で営業しています。現地の住所をお送りしますので、必ず連絡の取れるお電話番号、メールアドレスを記載のうえ、ご予約ください。