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2025.07.25
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気密の経年劣化について【設計お役立ち情報 Vol.51】
住宅の快適性や省エネ性能に大きく関わる「気密性能」
しかし、完成時に良い数値でも、時間が経つと気密が劣化することがあるのをご存じでしょうか?
発泡ウレタンによる気密の劣化
SANKOの気密性能をいつも測ってくれている気密測定士さんによると
発泡ウレタンで気密を取っている住宅では、
建築時のC値が0.2だった家が、1年後にもう一度計測すると、0.9まで悪化した例があるそうです。
発泡ウレタンは主に内断熱材として使用され、細かい隙間まで埋められるので、
断熱と合わせて気密も簡単に取れるということで、多くの現場で使われています。
しかし、デメリットもあり、
時間が経つとウレタンが収縮したり硬化したりして隙間が生まれやすくなるため、
劣化しやすいという特徴があります。
特に木造住宅では、柱や梁などの木材は季節によって乾燥や湿気で伸び縮みや反りが起きます。
その木材の動きにより、気密材との隙間が広がってしまうことも劣化の原因です。
外断熱なら気密性能も劣化が少ない
一方で、同じ発泡ウレタンを使っていても、外断熱工法を採用している家では1年経っても気密劣化がほとんど見られなかったそうです。
外断熱工法では、断熱材が建物の外側をぐるっと包むため、ここで「一次気密」を確保しているといえます。
この一次気密の断熱材は構造材、耐力面材の外側にあるため、木材の伸縮や反りの影響を受けにくく、結果として気密が長期間安定しやすいです。
そのうえ、気密シートなどでしっかりと施工することで、より気密性能の経年劣化を防げるようになります。(二次気密)
気密性能は完成時だけでなく、長期間保たれることが重要です。
SANKOの家では、気密測定士さんに新築時から5年後に改めて測ってもらいましたが、
C値0.05と建築時と変わらない性能を保っていました。
家の気密は「完成した時の数値」だけでなく、将来も快適に暮らせる性能を見極めることが大切です。
松村