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家づくりコラム

2025.07.11

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見えない化学物質と暮らすということ【設計お役立ち情報 Vol.49】

現在、日本の住宅の95%以上で使われている壁紙、それが「ビニールクロス」です。

 

「壁紙ってどれも同じでしょ?」

「うちは新築だから空気もきれいなはず」

そんなふうに思っている方にこそ、ぜひ知っていただきたいお話があります。

 

施工性が良く、価格も手頃なことから広く普及していますが、

実はこの“便利さ”の裏に、私たちの健康を脅かすリスクがあります。

 

 

 

 

〇ホルムアルデヒド

ビニールクロスは「ポリ塩化ビニル(PVC)」という合成樹脂でできています。

この素材や、貼り付けに使う接着剤からは、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)が放出されることがあります。

ホルムアルデヒドは目・鼻・喉への刺激、頭痛、吐き気、さらにはシックハウス症候群の原因にもなる化学物質。

少量でもアレルギー反応や呼吸器系の不調を引き起こすことがあります。

 

〇ダイオキシンと塩素ガス

ポリ塩化ビニルは燃えると、ダイオキシンという猛毒ガスを発生させます。

この物質は発がん性が非常に高く、体内に入ると脂肪に蓄積され、免疫障害・肝機能障害・生殖機能障害など、全身に影響を与えることが知られています。

さらに、燃焼時には「塩素ガス」も発生します。

これは、第一次世界大戦で化学兵器として使用されたほど強力な毒性を持ち、吸い込むと粘膜を刺激し、呼吸困難や肺水腫を引き起こします。

避難中にこのガスを吸い込み、助かったと思った後で体調が急変する。

そんなケースも報告されています。

 

〇呼吸しない壁がもたらす“カビ”のリスク

もうひとつ忘れてはならないのが、ビニールクロスは「呼吸をしない」素材だということです。

湿度を調整する力がないため、室内の湿気がこもりやすく、結露やカビを発生させやすくなります。

カビの胞子は見えない形で部屋中を漂い、アレルギーや喘息、気管支炎などの健康被害を引き起こします。

小さなお子さんや、ご高齢の方がいるご家庭では、特に注意が必要です。

 

 

 

 

 

こうしたリスクを避ける為、SANKOでは「漆喰」を採用してます。

漆喰は、石灰石を原料とした天然素材の塗り壁材。

 

・調湿性に優れ、結露・カビを防ぐ

・消臭・抗菌作用で空気をきれいに保つ

・火に強く、有毒ガスを出さない

・廃棄しても土に還る、地球にやさしい素材

 

「見た目がきれい」だけでなく、暮らす人の健康と、未来の環境に配慮された材料です。

 

 

日本は地震・台風などの自然災害が多い国です。

大切な人を守り、30年、50年先も心地よく暮らせるように。

もし今、家づくりを検討されているなら、目に見える「価格」や「デザイン」だけでなく、

空気や素材の「中身」にも、ぜひ目を向けてみてください。

 

 

松村